相手への愛着と怒りが同時に発生している
うつ病者は「さっぱりしない」「心が晴れ晴れしない」と言う。
それは何故か。おそらく幼児的願望があるから。
幼児的願望を満たそうとして、相手に絡みつく、しがみつく、
まとわりつく、拗ねる。
絡まれた側からすれば、うつ病者はしつこい、くどいなどと思うだろう。
うつ病になるような人は、いつも何かにしがみついていないといられない。
溺れそうになっている者が、浮き輪にしがみつこうとするように、
うつ病になるような人は、心理的に溺れそうになって、
何かにしがみついているのである。
うつ病になるような人に、自分を無にしろと言っても、それは難しい。
溺れそうな者に、浮き輪にしがみつこうとするな、と言うようなものである。
それよりも溺れそうになっていないのだということを理解させることである。
憎しみの感情を吐き出させることである。
感情が爆発すれば台風一過で晴れ晴れする。
しかしうつ病者はなかなか感情を吐き出せない。
感情が爆発しようにも、感情自体が矛盾している。
心の中では不安と相手への愛着と怒りが同時に発生している。
「いつも心が曇った感じ」とも言う。
感情併存で、自分の感情に自分が対処できないから感じるのであろう。
そして長い間の心の葛藤から来る緊張で、生きることに疲れて
しまっている。