人は誰でも多かれ少なかれストレスを抱えて生きている

あなたは、自分だけが取り残されたような気持になったことはないだろうか。
周りの人が皆元気ハツラツと輝いて見え、自分だけが何をしていいか分からず、
イライラしたり悲しくなったりした経験はないだろうか。

うつの入り口でこうした感情を訴える人は多い。
きっかけはそれぞれ違う。

ある40代独身女性は、後輩30代女性が子供を出産し、職場復帰を果たしてから、
仕事は自分の力ではどうにかなるけれど、結婚や出産に関しては
自分の力だけではどうにもならない、と虚しさで胸がいっぱいになったという。

そんな思いを忘れようと仕事に没頭したけれど、気持ちが晴れるどころか、
余計に落ち込んでいったという。

「私には夫も子供もいないんだから、仕事ぐらいできて当たり前」という
思いが頭にこびりついて離れなかったという。

その女性は、落ち込んでいる自分を悟られたくなかったし、結婚できないことを
悩んでいる、などと絶対に思われたくなかったので、仕事にもどんどん取り組んだ。
仕事に追われていれば、嫌なことを忘れられると思ったという。

しかし、ある日突然、ベッドから起き上がられなくなってしまった。
ストレスを隠そうと強い力で押しつけたり、ストレスの原因から目をそむけて
ばかりいると、かえってそれを意識するようになり、さらなるストレスを
呼び込む結果になってしまう。

悩みを抱えた人は、誰かに悩みを打ち明けることで、心を軽くできるケースは多い。
しかし、身近な人には心配をかけたくないとか、少しでも自分を
よく見て欲しいとかいう気持ちも働くから、かえって言い出せない場合がある。

だからこそ、こうした悩みは専門家に打ち明けるのがいいだろう。
専門家なら、「相手にどう思われたか」など、余計なことを気にせずにすむ。

一般の人は、悩みを打ち明けると「なんとか解決してあげなくては」と
先を急ぐばかりにあれこれアドバイスをしたり、励ましすぎてしまう。

心の悩みで専門家を訪れるのに抵抗感がある人は多い。
しかし、心の荷物を一人で抱え続けていれば、いつかは疲れ切って立ち上がれなく
なってしまうかもしれない。

専門家は重たい荷物を消し去ることはできないけれど、一時的に預かってくれたり、
一緒に持つのを手伝ってくれる存在と言える。
そんな存在があることを、心に留めておくといいだろう。