もともと心の底に満たされないものをもっている
人は誰でも失くしたものに、ある程度は執着する。
自分を捨てた恋人を恨んでも時が経つと忘れている。
しかし心理的に不健康な人は心の中が基本的に不満だからそうはいかない。
心が不健康な人は時間が経ってもなかなか立ち直れない。
いつまでもフラれた恋人に執着してしまう。
恋人さえ失わなければと、いつまでも不愉快な気持ちでいる。
時が経っても落ち込んだままで、前向きになれない。
いつまでも失くした恋人に気持ちをとらわれて時間を過ごす。
失った恋人にいつまでもこだわるように過去のこと全般に執着する。
心理的に健康な人でも、もちろん過去を悔いる。
しかし時間が経てば過去をあきらめて、前向きになる。
学ぶことは学び、過去は過去として忘れる。
いくら悔やんでも過去は変えられないと、過去の失敗を受け入れる。
心理的に健康な人はいつまでも過去にこだわっていない。
いたずらに過去を変えたいと執着しない。
ところが、この変えられない過去にいつまでも執着するのが
心の不健康な人である。
要するに人格の成熟がない。
気質とともに育つ環境の影響が大きいのであろう。
心の不健康な人はもともと心の底に満たされないものをもっている。
過去に満足できたものがない。
過去の本質的な欲求や願望は、ほとんで何も満たされていない。
そこにさらにもうひとつ悔しいことが加わった。
それで、今までに満たされなかったモヤモヤが刺激されて、
収まりがつかなくなっている。