どう回復していいかわからない

抑うつ状態になると、はたから見て幸せそうに見えることでも
本人はちっとも幸せではない。むしろ苦痛である。

友達はいっぱいいる。家族もいる。お金に不自由はない。
いろいろな人と食事をともにしている。旅行にも行っている。

はたから見て何の不自由もなく楽しい毎日を送っているように見えても
本人にとっては辛い毎日である。はたから見れば羨ましいだろうが、本人は苦しい。

貧しい中で、たった一人で頑張って働いている人から見れば、羨ましい。
しかし抑うつ状態の人は人と会うことが苦しい。人と食事をすることが辛い。

はたから見て楽しいだろうな、幸せだろうなと思うことがどれも辛いことに
なってしまう。

では一人でいる時がいいかというと一人でいることも苦しい。何よりも虚しい。
心の葛藤に苦しみ、抑うつ状態に陥った時には、外側からの刺激が喜びにはならない。

要するに心が疲れているのであろう。疲れているから何をする気にもならない。
全てが億劫。

しかし肉体的に疲れている時と違って、なかなか休めない。
肉体的疲れは休めば回復する。眠れば回復する。

しかし心理的疲れは、まずなかなか休めない。眠れない。
どう回復していいかわからない。

心の葛藤を解決しない限りなかなか喜びが喜びにはならない。
楽しいことが楽しいことにはならない。幸せが幸せにはならない。

肉体的に病気になれば周囲に迷惑をかける。
それは心理的病についても同じである。

それを気にして、迷惑をかけないようにしようと思うとどうしても無理をする。
その無理が心の病を悪化させる。

心の底では消耗しているのに、人には無理をしていい顔をしてしまう。
そのエネルギーの消耗が酷い。

楽しい時に楽しい顔をするのはエネルギーがいらない。
しかし楽しくないのに、楽しい顔をするとエネルギーを消耗する。