非現実的な人生の目標は、ストレスの原因となる

幼い頃、人から蔑視されたり、無視されたりして心理的に傷ついた人はよく
見返してやると思い、非現実的なほど偉くなろうとする。

そんな復讐心にとらわれた人は仕事以外のことに充実感を感じられないので
仕事をしない時間が無駄に感じられる。

このような人は、幼い頃自分にとって重要な他者から強く優れていることを
期待されて育ち、その期待を実現しないと受け入れてもらえないと思うため、
現実の自分を蔑視して、理想の自我像実現を目指して頑張る。

万能の人になることが傷ついた自尊心の要求なのである。
この要求を実現するために、人は不幸な一生を送る結果になる。

自分に自信を失うと、人は自分の人生に非現実的なほど高い目標を立てる。
現実と劇的に対立する期待を持つということである。

そうした期待を持ち、それに固執すればいろいろなトラブルが出てくる。
しかし自信のない人は、その過大な目標に固辞する。

その非現実的な目標を達成しなければ、自分は生きていけないような
気持ちに追い込まれている。

彼のその非現実的な人生の目標は、常に彼のストレスの原因となる。
彼はそれを達成しようといつも焦っている。

そしてその生きる姿勢は、彼の人生の他の領域と衝突する。
例えば他人と協力して何かをすることである。昔の仲間と遊ぶことである。
友人の世話をすることである。子育てである。

そのために割かれる時間とエネルギーは、彼の目標達成のための時間や
エネルギーと絶えず矛盾衝突する。

そこでそのようなことに時間を割くときに、彼はいつもイライラ
していることになる。

また当然彼はその目標に向かって利己的な行動に走る。それが周囲との摩擦を生む。
皆が自分の目標達成に奉仕してくれることを期待する。

しかしそんなに都合よく周囲の人は自分のために動かない。
そこで周囲の人への期待は裏切られ、彼はいつも周囲の人に腹を立てる
ことになる。そうなると、常に周囲とのトラブルは避けられない。