自己防衛的な姿勢

受け身の人は他人に見せるための行為が多い。
格好よさ、というのは他人を意識したものであるから、受け身の人間が求めるものである。

自分が受け身の人間であるか、能動的な人間であるかの、一つの指標は、他人に見られない
知られない、評価されないことにどれだけ情熱を持てるか、ということである。

どんなに静かな人でも他人と一緒にいることが楽しい人は能動的な人である。
他人とに付き合いを楽しんでいる。仲間といると時の経つのを忘れる、しかもまた、
自分一人の世界をも持っている人は能動的な人である。

受け身の人は、共同の世界に向かって自分の心を閉ざすと同時に、自分は心を閉ざしているのだと
いうことを他人に知らせたがる。
自分の内に何もない人ほど、外へ向かって自分を閉ざそうとする。

それは外に向かって自分を閉ざすと、何か自分があるような気がするからである。
そんなことをしていたら、自分がなくなってしまうと、自己喪失を恐れている人は
もともと自己のない人に多い。

他人と一緒になって楽しく酒を飲んで騒いだからといって、別に自己がなくなるわけではない。
他人と一緒に馬鹿を言ったからといって、別に自己がなくなるわけではない。

それは外に向かって自分を閉ざすと、何か自分があるような気がするのである。
そんなことをしていたら、自分がなくなってしまうと自己喪失を恐れている人は
もともと自己のない人に多い。