親への憎しみが消える時
喜怒哀楽のない子供は、感情のない親になっていく。
自分の子供が点滴をしている。
親はそれを見て、「かわいそう」と言うが、
かわいそうという実感が伴わない。
だから、点滴をしている子供のそばでお菓子を食べられる。
何十年一緒に暮らしても、いつも初対面のような関係。
積み重ねなしの関係。
神経症的傾向の強い人には、親子関係も夫婦関係もない。
すべて他人。
それなのに、子供は相手を親と思うから親を恨む。
神経症的傾向の強い親は、子供に食べさせてやってるのにと思う。
親には親の感覚も夫婦の感覚もない。
他人を自分の家で預かっているのと同じ。
どこからかお金をもらいたい気持ちである。
だから、子供が「何もしてくれなかった」と親を恨んでいる場合には、
親も「こんなにしてあげたのに、恩知らず」と子供を恨んでいる。
子供が不幸である時のみ、活力の出る親がいる。
このことが理解できれば、親への憎しみは消える。
淋しさは感じるだろうが。