心に葛藤のある人の励ましは相手を不安にさせる
心の中に葛藤のある人が、他人を励ましてみても、他人にとっては励ましにはならない。
むしろ、焦りになる。心の中に葛藤があると、他人を勇気づけることはできない。
「頑張れ」「大丈夫だ」「気にするな」「君ならできる」そんな励ましや勇気づけの言葉も
心の中に葛藤のある人から出ると、相手を逆に不安にしてしまうということがある。
それに対して、素直になれる人、自分を受け入れている人、そんな人は黙っていても
他人にとっては励ましとなる。
そんな人は、黙ってそこにいるだけで、意気消沈したり、不安だったりする人にとっては
安らぎとなる。
人望のある人、自然と人の上に立つ人というのは、心に葛藤のない人である。
心の底では自分に自信がないのに、いかにも自分に自信があるように振舞う人というのには、
人はついていかない。
心に葛藤のあるような人は、他人の言動が自分の神経症的な自尊心を傷つけはしないかと
いつもビクビクしているし、自分の言動が他人に悪く思われはしないかといつも
ビクビクしていて、他人のことを思いやるゆとりがない。
そんな人が周囲の人から人望を得る、などということはとても考えられない。
自分の内面の問題を解決できている人にして、はじめて人への配慮ができるようになる。
他人によく思ってもらおうとするための配慮ではない。
そうした配慮をする人は、すぐに疲れてしまって長持ちしない。
他人に拒絶されることによって、自分は挫折する。
その挫折を避けるための配慮というのは疲れる。いつもストレスにさらされている。
自分の内面の問題を解決できた人は、他人に対して配慮しなければと思って、配慮するわけではない。
自然と配慮できるのである。
自分が傷つかないようにと防衛的になっている人は、他人が傷つくことに対する配慮がない。
自分の内面のことでいっぱいで、そこまで配慮できないのである、
その能力の欠如を意志の力でおぎなおうとする。
だから疲れるのである。