人生には苦しみがつきまとう
社会的、経済的、心理的に追い込まれた時、この先どうしたらいいのかと人は悩む。
そんな状況に追い込まれると、人は得てして日々消えていくもの、失うものにとらわれてしまう。
例えばお金にとらわれる。そしてますます心理的に不安定になる。
お金があれば全てが解決するという考え方にとらわれると、どうしてもお金が
欲しいと言ってお金に執着する。
人は不思議に消えていくもの、壊れていくものに執着する。
お金ばかりでない。
執着しているものから手を離せば何でもないことなのに手を離せない。
そしてますます自分を窮地に追い込んでしまう。そうなると、そのことで
頭がいっぱいになり食事も喉を通らなくなる。次第に不安と焦りが増してくる。
何をしても手につかなくなり、ますます不安と恐れの谷底へと落ちていく。
一つのことに執着すると、別の視点から考えるという柔軟な発想はなくなる。
恐れと不安に巻き込まれてしまい、人生本来の目的を見失ってしまう。
お金であれ、権力であれ、どうしても欲しいと執着すると、
人生どう転んでも心のやすらぎは得られない。
自分の安らぎを略奪するのは、自分自身の執着である。
そのことを私達は時々忘れて、自分の運命を呪っている。
しかしそれに気づけば、解決を生み出す力を持てる。
執着から苦しむ人は執着を持ったままで永遠の幸せを願う。
執着から苦しむ人は、そのことにも気づいていない。
もちろん執着しているものが手に入る時もあり、その時には喜びもあるだろう。
しかし、努力なしに手に入ったもので幸せと思えるのは一瞬である。その後は不幸になる。
それではお金がある人は悩みがないのかと言えばそれはまた別で
お金がない人と同じように苦しんでいる。お金があっても悩む。
お金がない苦しみとはまた違う苦しみが、お金持ちにはある。
お金があるのに悩んでいる人は、お金で今の生活を築いていることを忘れていることが多い。