すぐに間違ったレッテルをはる
うつ病者は物事がうまくいかないと、自分の欠点と結びつけて
解釈すると言う。これは自分を憎んでいるからであろう。
何かうまくいかないことを自分の欠点と結びつけて
解釈すると聞くと、別にたいしたことでないように思うかもしれない。
しかし多くの人が、このようなことをしているのである。
何か誘って断られると、相手は自分を好きではないのだろう、
自分には魅力がないから、というような解釈をする人もいる。
交渉がうまくいかないと、自分は口下手だからと解釈する人もいるだろう。
あるいは何か対人的に上手くいかないと、すぐに自分は神経質だからと解釈する人もいる。
例えその人が本当に神経質であったとしても、その人の神経質さとは
全く関係のないことまで、自分は神経質だからと解釈してしまう。
そしてそう決め込んでしまう。
すぐに間違ったレッテルをはるのも、このためである。
神経質だから失敗したのではないのに、神経質だからと
自分を責めてしまうのは、やはり心の底で自分を憎んでいるからである。
失敗は誰だってする。神経質であろうが、神経質でなかろうが、失敗ぐらいはする。
ただ失敗しても、普通の人はやたらに自分を責めたりしないし、失敗にこだわらない。
自分を憎んでしまった人は、普通の人でもする失敗を、自分の弱点と
結びつけて解釈し、自分を責める。そして次々に自分の欠点を発見していく。
まさに他人を憎んでいるときに、その人に対してやるのと同じことを
自分に対してするのである。そして極端で絶対的な解釈をする。