愛し方と愛され方を知らない

何でもない今日一日は、本当は楽しいことなのだが、
心に葛藤を持っているために楽しいと感じられなくなってしまった人がいる。

無意識にいろいろと深刻な心理的課題を抱えている人は否定的な人生観になる。
そういう人は、「あの人はこれだけのことをしてくれた、ありがたい」と
考えないで、あの人は私に「このことをしてくれなかった」と考える。

基本的に愛されないで成長した人は、愛し方と愛され方を知らない。
その能力が発達していない。

親から遊んでもらったことがないから、遊ぶ能力がなくて、楽しく遊べない。
無意識にいろいろと深刻な心理的問題を抱えている人には、
愛情を感じる能力がない。

愛されていても、愛されていると感じない。
どんなに愛されていても、「誰も私のことを愛してくれない」と思っている。

愛されていないどころか、酷い目に遭ったとさえ思っている。
皆に愛されても「私は被害者だ」と感じている。

二十歳の男性として愛されても、本人はまだ心理的に二十歳になっていない。
だから愛されていないと感じてしまう。

五十歳の男性がいるとする。彼と恋愛をした女性がいる。
その女性は彼を誠実に愛したとしても、彼は愛されていないと不満になる。

つまり彼が求めているのは五十歳の男性として愛されることではない。
五歳の子供として愛されることである。

五歳の子供が求めているものを与えないで、一般的な五十歳の人が
求めているものを与えているから、五十歳の男性は、
誰も私のことを愛してくれないと恨むことになる。