軽く扱われたことで自信を失った

人は幼い頃から自分がどのように扱われたかを、
心の奥底では記憶しているのではないだろうか。

そしてそれが自己蔑視として現れているのである。
自分にとって重要な他者が、あなたのことを軽く扱っておいて、
あなたが自信を持つことはあり得ない。

あなたはどんなに社会的に成功しても、あなたは自分に自信がない。
幼い頃からの積もり積もった怒りがあなたを傷つきやすくしているし、
あなたを怒りやすくもしている。

そしてあなたは悪循環に陥ってしまっているのである。
しかし気が弱かったり、やさしかったり、人と対立できなかったりという
あなたの性格のために、怒りを人以上に表現できないでいる。

それがさらにあなたを傷つきやすくし、怒りやすくしている。
そして常に怒りを抑えているあなたは、常時ストレスに晒されている。

そのストレスの真に原因は、あなたは幼い頃から一度として、
重要な他者(主には親)から大切に扱われたことがないということである。

幼い頃自分が軽く扱われたことで、自信を失ったあなたは、大人になってからも、
不誠実な人に、従順に生きようとしていた。

あなたは不思議なほどあなたを軽く扱う人に引き寄せられていった。
そして、そうした人々に好かれなければ生きていけないように感じていた。

好かれなければならないという思い込みの中で生きてきた。
それがものすごいストレスの原因なのである。

取り囲む環境がストレスに満ちている場合もあるが、
あなたの心の間違った思い込みがストレスの原因である場合もある。

あなたの嫌いな「あの人たち」に、好かれなければ生きていけないように
なってしまったことに、あなたの人生の悲劇がある。

誰が誠実で、誰が不誠実かを見分ける判断力は、あなたは全くなかった。
人生で最も重要な能力である「人を見る能力」があなたには全くなかった。

幼い頃大切に扱われなかった人は、愛に飢えていて、表面の言葉に騙される。
大切に扱われるということはどういうことかを体験していない。

その体験の欠如が、誠実な人と不誠実な人を見分ける能力を破壊してしまっているのである。
自分が大切にされていない、ものとしてしか扱われていないと気がつくには、
一度人間として扱われなければならないのかもしれない。