やさしいようでやさしくない
ある母親が健康にいいからと言って、ある健康食品を買ってくる。
「子供は食べてくれるかな?」と母親は心配していた。
ところが子供は、「お母さん、けっこうおいしいよ」と言った。
そこで母親は、いつも買ってくるようになった。
ある日、「もうあきた。買うのをやめてよ」と子供が言う。
母親は、「いいわよ、あなたが食べなければお母さんが食べるから」と反応する。
しかし子供のほうは、
「お母さんが買ってくると、食べないではいられない」と言う。
その子はやさしい。
「あなたが食べなければお母さんが食べるわ」と母親が言う。
そして、「もういらないと言ってるんだから、買うのはやめてよ!」と
言う子供と喧嘩になった。
しばらくして子供は、「お母さん、さっきはごめんね」と謝った。
その言葉を聞いて、お母さんは、自分がしていることは正しいと
子供はわかってくれたと思った。
そして母親は、「わかってくれればいいのよ」と言った。
子供はその言葉でキレて、「もう絶対謝らない」と言う。
親子関係がギクシャクする。
こういうお母さんは我が強い。
やっている行為はやさしいようだけれど、心はやさしくない。