試みる前からダメに決まっているという反応をする
人間にとって恐ろしいのは、困難そのものではなく、
困難そのものを自分はどうすることも出来ないのだと
幼い頃学習することである。
人間にとって恐ろしいのは、酷い目にあうことそのことではなく、
酷い目にあうと、それを自分は避けることが出来ないと
幼い頃学習してしまうことである。
たとえ幼い頃、悲惨な目にあっても自分が必死になってそれと戦い、
その悲惨さを何とか逃避することが出来た。
そういう体験を持てた子供は大人になって絶望感、無力感に
苦しめられることはない。
大人になって困難な状況に陥った時に、その困難と闘いその困難を克服する。
自分の力でその困難を克服出来る時には、その困難を克服する。
しかし幼い頃、酷い目にあい、それを自分の力ではどうすることも
出来なかったということを学習してしまうと、大人になって
小さな困難に出あってもすぐに降りてしまう。
自分の力で十分その困難を克服出来てもその努力をしないですぐに諦めてしまう。
うつ病者は、試みる前からダメに決まっているという反応をすると言われる。
幼い頃、不愉快な体験をし、それから逃れるための努力をして、失敗し、
自分の力では不愉快な状況を変えることが出来ないと学習してしまうと、
大人になって自分にとって不愉快な環境を愉快なものに変えることが出来ても、
それを変えようとしない。
いつも不愉快なまま生きる。
そればかりでなく、その無力感を強化していくのである。