近い人に密着して傷つく

傷ついても密着している方を選ぶ人がいる。
傷つく方が離れているよりも耐えやすいのである。

傷つく痛みには耐えられるが、離れている痛みには耐えられない。
もちろん長く傷つくことには耐えられないから最後には無気力という挫折に至るのである。

うつ病者などはたとえ頭が良くても愚かなのである。
彼らは近い人に密着して傷つく。そして親しい人に敵意を持つ。
それを表現できなくて怒りを自分に向ける。悶々と苦しみつつやがて無気力になる。

しかし彼らにしてみればそれ以外に生きる方法が見つからないでいる。
うつ病者は自分を限りなく受け入れてくれることを求める。

そこで相手に対する怒りと敵意が生じる。しかしその敵意を表現できない。
この自分に向けられた攻撃性が憂うつな顔である。

自分を見捨てないと信じられれば怒りを表現できる。
しかし信じられないから怒りは表現できないで、自分へと向けられる。