責任という重圧もないし、誉めてくれる

大人というのは当たり前のことをきちんとできる人である。
そして心理的に大人になれないなれない大人は、これができない。

心理的に大人になれない大人は当たり前のことをきちんとしないで、
当たり前でないことをする。

例えば、自分の子供の食事もほったらかしにして、
PTA活動に熱を入れる母親である。

家の仕事をほったらかしにして、ボランティア活動に熱心なお母さんがいる。
皆、誉められない仕事をほったらかしにして、誉めてもらえる
ことをしているのである。

これらのお母さんは、自分の家のゴミ捨てを手伝わないで
他所の家のゴミ捨てを手伝う中学生と同じである。

自分の家が引越しをするときには手伝わないが、友達の家の引越しを
手伝ったりする高校生である。

自分の就職活動はきちんとしないが、人の就職活動をする大学生である。
自分の夫の病気の看護を疎かにしてボランティア活動に熱心な奥さんである。

夫の病気の看護をしても誉めてもらえないが、ボランティア活動を
すれば誉めてもらえる。

これが大人になれない大人の一つの特徴である。
自分が当然しなければならないことをしても、誰も誉めてくれない。

自分の母親が怪我をしたときに、母親の家事を手伝っても誰も誉めてくれない。
怪我をした母親自分の母親が病院に行くのについて行っても、誰も誉めてくれない。

当たり前のことだからである。
しかし、あまり知らない人が怪我をしたときに病院について行ってあげれば
世の中の人は「えらい!」と誉めてくれる。感謝もされる。

自分の子供を育てるのに熱心でない母親が、他人の子供の世話に熱心なのは
誉めてもらえるからであろう。

もちろん誉められる、感謝されることの他に、全くの他人に対しては
素直になれるということもある。