会社の話題を出す夫
夫が家で会社のことを話題にする。
例えば部下のできの悪さを話題に出す。
それはそのできの悪い部下に耐えている「俺はすごいだろ」
という意味である。
夫は妻から誉めてもらいたいのである。
それは部下でも上司でも恋人でも関係ない。
例えば夫が同僚について「何事も事なかれ主義で、
はっきりと物を言わない」と言ったとする。
そこで妻が「ハッキリと、君のこういうところが
嫌いなんだとなぜ言えないの」と具体的な解決策を言ったとする。
ところが夫の求めているのは具体策ではない。
妻の「あなた、会社で大変なのね」というねぎらいの言葉である。
それを妻が単に「できの悪い部下の話題」「優柔不断な同僚の話題」
として扱うから夫は不愉快になるのである。
つまり妻は夫の話を聞いた後で、「それに耐えているあなたはすごい」
と言わないで、具体的にこうしたらいいのではないか、
と提案したので不愉快になったのである。
夫はそんな具体的な提案を妻から聞くために、部下や同僚のことを話しているのではない。
「上も下もだらしない中で、あなたは頑張っているのね。凄いわ。
とても私なんかには真似できないわ」と誉めてもらうために
会社の人間を話題にしているのである。