男性なしでは生きていけない

人は何か楽しい経験をすると必ず同じことを
もう一度やってみたいと思うものである。

そこから、あることが趣味になったり、ときには、
趣味を通り越してのめりこんだりすることもある。

これは、誰にでも、よくあることであろう。
しかし、趣味や好みが平均している人は、
たった一つだけのことに執着することはない。

健康な精神状態にある人は、無意識のうちに、自分の生活を、
変化に富みバランスのとれたものにしようとする。
色々なことに興味をもち、色々なことを楽しもうとする。

これに対して、どこか問題のある人はたった一つの、
そしてたいていは害のあることに執着し、
たとえ肉体的、精神的に色々悪影響が出てきても
そこから抜け出せることができなくなってしまう。

アルコ-ル中毒、薬物中毒、過食症などはその典型であろう。
そして、恋愛中毒も例外ではない。

女性が男性に愛されたいと願うのは正常でも、
「愛してもらえないなら生きていてもしかたない」とか、
「愛がないと精神の均衡が保てない」というところまでくると、
これはもう精神的には病気である。

恋人がいなければ、自分は何の価値もない半人前の人間と思い込んでしまう。
愛を求めることは自然でノーマルなことである。

しかし愛が得られないからといって惨めになったり、
絶望したりするのは決して自然でもノーマルでもない。

男性に対する異常な執着心は、やがて日常生活全体を侵しはじめる。
自分の気持ちにこたえてくれる男性なしには、
生きていけないのではないかと思うようになる。