どこかに抑圧がある
自意識過剰で、自分のすることを他人がどのように思うかをひどく気にする人がある。
他人はいちいちその人のすることを細かいところまで気にしてなどいない。
挨拶の仕方が悪かったのではないか、声をかけるのに声が小さかったのではないか、
誘いを断ったから相手は気を悪くしているのではないか、もっと親切にしてあげれば
よかったのではないか。自分のすること一つ一つ他人がどう受け取ったかをいちいち気にする。
何を一番恐れているかというと、自分が悪意をもっていると思われることである。
自意識過剰な人は、「私はあなたに好意をもっている」ということを伝えようとする。
そしてそれが伝わったか伝わらないかを気にしているのである。
しかし本当に好意をもっていれば、それほどそんなことを気にするはずはない。
自意識過剰な人は、心の底に人知れず敵意を持っている。そして憎しみを抑圧している。
誰に対する敵意か、何に対する憎しみかは別にして、敵意や憎しみを抑圧している。
優越した人や、成功した人、幸せな人に対する密かな敵意が妬みである。
自信過剰と妬みの心理は、抑圧された敵意を媒介としてつながっている。
自意識過剰な人は心の底に人知れず敵意を持っている。それだけにどこかやましさがある。
やましいからこそ、他人が自分の言動をどう解釈するか必要以上に気にするのである。
だから相手の機嫌を非常に気にする。