黙々とつまらないことをし続けた
楽しいことを体験していない人は仕事以外の日常生活で、
人とどうかかわっていいか分からない。人と協力ができない。
話していて楽しいという人がいない。日常生活が楽しくない。むしろ日常生活は辛い。
仕事に逃げていられるときには、内面の破壊は隠しおおせるが、
仕事に逃げていられなくなると、その内面の破壊が表面化する。
それがうつ病であり、不眠症であり、自律神経失調症であり、燃え尽き症候群であり、無気力感である。
うつ病でも真面目に頑張っていた。燃え尽き症候群でも一生懸命頑張っていた。
無気力ながらも無理して頑張った。
しかしみな、楽しいという体験がなかった。みな、「これをしたい」という
欲求を無意識に追いやって、黙々とつまらないことをし続けた。
その無理な努力で、疲れる。そうすれば無気力にならないほうがおかしい。
「この人といると何もしなくても楽しい」ということを体験しないで、
「つまらないこと」だけを一生懸命に頑張っている。
それだけでは、最後は挫折する。パーソナリティーは段階を踏んで発展する。
子供時代がないで、いきなり大人にはなれない。彼等は心理的成熟の段階を追わないで、
社会的にだけ大人になってしまったのである。
だからまずとにかく「何もしなくても、一緒にいるだけで楽しい」というような人を見つけることである。
今までの富を見つける情熱で、そういう人を見つける。今までの学歴や仕事にかけた情熱を、人探しに向ける。
自分は楽しいという体験をしてこなかったという人は、自分を責めないで、人を責めないで、現実を認めること。
楽しむ能力がある人は、何でもない日常の事柄を楽しむ。それに興味があるから。
たまたますれ違った人との会話を楽しむ、内面が躍動しているから。