虚勢を張ることによって劣等感は強くなる
ある30歳を過ぎた女性が恋をした。若くないと嫌われると思って自分の年齢を隠した。
すると恋愛には年齢が大切だという考え方を強化してしまう。
そして、若くはない自分は好かれないという自己イメージを強化してしまう。
ことに恋愛では危険である。
恋人から嫌われるのが怖いから、自分が弱点と思っていることを隠してしまう。
すると弱点と思っていることが重大なことに思えてくる。
隠したことで重要でないことが重要なことに思えてきてしまう。
相手はそのことを何とも思っていないのに、自分が一人ですごいことにしてしまう。
こんなことを言ったら嫌われると思って、そのことを言わなければ
そのことがもっと嫌われることのように感じだす。
恋愛のときばかりではない。
劣等感のある人は虚勢を張りがちであるが、虚勢を張ることによって劣等感は強くなる。
防衛的な行動を続けていると自分への失望にいたる。
だから嫌われるのが怖くて、相手に迎合していれば、いよいよ自分が嫌いになる。
嫌われるのが怖くて、迎合したり、お世辞を言ったり、本当の自分を
隠しているうちに、だんだんと嫌われるのがものすごいことのように感じだす。
本当の自分はいよいよ嫌われる存在のように感じだす。
最後にはまるで嫌われたらもう生きていかれないように感じだす。
事実嫌われることをそこまで恐れている人は世の中にたくさんいる。