ありのままの自分に満足していない人は、つねに気を張っている
無理をして独りよがりの理想にしがみついている人は、不安と恐怖にとりつかれている。
ある人は、親への敵意を抑圧しながら反動形成的に育ったという。
つまり、親に対する自分の敵意を抑圧して、「私の親はいい人だ」と
思い込むということである。
真の自己を否定して独りよがりの思想にしがみついている人は、心の底にものすごい敵意がある。
その人が解放されるためには、自分の心の敵意に感づくことである。
症状は、何をしても何をされても腹が立つ。
怒ることではないと頭では分かっていても腹が立つ。
独りよがりの理想の自我像実現にこだわる人は、
「皆が驚いて見るような偉い人」になりたいし、ならなければならないのである。
それですべての悩みは解決されると思い込んでいる。
彼らは周囲の人に自分を認めてもらおうとして、栄光を追求する。
しかし残念ながら、周囲の人は彼らをあまり認めない。それが彼らには面白くない。
すべての悩みを解決できると思い込んでいる自己理想化は、
逆にその人の悩みをどんどん深刻化する。
だからエリートの自殺という悲劇が起きる。エリートのうつ病という悲劇が起きる。
彼らが本当に人と親しくなり、生きていることに喜びや意味を感じるためには、
どうしたらよいか。
それは「自分をつまらない人間だと感じている」ということを
言える友人を見つけることなのである。
それが言える友人ができることで、彼らの人生の問題は一挙に解決する方向に向かっていく。