「あなたのために」
人は自分のために働いている。
それなのに人のために働いていると思う人がいる。
そして人のために働いていると思うから相手に対して要求が出て、不満が出るのである。
自分のために働いていると思えば、とんでもない結果が
出てきたときでも、これも甘受しようという気持ちになる。
「あなたのためにしてあげた」という感情こそ、人間関係の最大の障害である。
恋愛関係であろうと親子関係であろうと仕事の上司と部下との関係であろうと
この感情があると関係はこじれる。
その人を好きなら、あまり「あなたのために」とは思わない。
その人を好きでないから、何かをするときに、「あなたために」と思うのである。
「あなたのために」を連発する人は人を愛する能力にかけている人である。
「あなたのために」という言葉はまず嘘である。
自分が嫌われたくないからしているというのが、大抵の場合は真実である。
人のためなどと偉そうに、言ったりやったりしたことは
全て相手のためではなく、自分のためにだと気づけば人間関係はこじれないだろう。