すぐにカッーとなってしまう

何か自分の思うようにいかないと、すぐに不機嫌になってしまう人がいる。
それは、その人にとって自分の思うように事が運ぶことが、普通の人より重要だということである。

自分の望んでいたことと少し違ったことになっても、すぐに心理的に混乱してしまう。
このことについて、あの人は自分に聞いてから決めるだろうと思っていたら、自分に何も聞かないで
決めてしまったというようなことで、すぐに心理的安定感を失ってしまう。

自我が脆い人は、ほんの少し予想と違っても、限界に達してカーッとなってしまう。
あるいはその攻撃性を外に向けられない人は、憂鬱になってしまって何もやる気がしなくなる。

したがって、自我の脆い人は時にほんの些細な状況によって自閉的になってしまう。
外と接して心理的に混乱するのがイヤだから、自分の中に閉じこもってしまうのである。

このことは自分が決めたようになっていって、他の人は自分の意見通りに動くと思っていた。
ところが、そのように他の人は動かなかった。となると、心は暗い雲に覆われてくる。

もうやめた、となって、自分だけの世界に閉じこもり、他人との接触を避けようとする。
自我の基盤の強固な人にとっては、何でもないような他人の態度にひどく苛立つ。

電話をかけた。急ぎの電話ではない。
それでもその時、相手が来客中で電話口に出ないとすぐにイライラして、次の仕事が手につかなくなる。

自分の予想したのと違った状況が眼の前にあらわれると、心の中は混乱して適切に対応できなくなる。
もちろん、自己中心性という言葉でかたずけることもできる。

小さな子供は自分中心に地球が回らないと、すぐに怒ってわめき出す。それと同じである。
他人が自分を自分の予想したように扱ってくれないと、心理的に混乱してしまう人の自我は脆い。

その予想がまたかなり甘えているのである。周囲の人は自分を重要視し、大切に扱ってくれるだろうという
自分中心の甘えた心情から、現実に接する。しかし、現実はそのようにその人を扱うことはない。

すると、そこでその人にとって現実は耐え難いものとなってしまう。
周囲が自分の予想通り動いている時、かろうじてもっていた自分が些細な変化ですぐに混乱してしまう。
このように自分の自我が他からの影響を受けやすい人は、まず自分の自我の未形成を反省することである。