自分の仕事が自分に与える威信が大切である
燃え尽きるタイプの人や神経症者、ナルシシストの望むものは、仕事の内容ではなく、
その仕事の与える威信である。
燃え尽きる人間は名誉ある生活をいう上辺に気をとられている。
だから、仕事らしい仕事をしなくても緊張して疲れる。
早く主任にならなければ、早く課長にならなけれれば、早く部長にならなければ、
何をしても、こんなことはしていられないという気分に追いかけられる。
燃え尽きる人間は重すぎる荷物を持ってしまう。
その荷物を背負うことが栄光に満ちていると感じるからである。
そして栄光がないと受け入れてもらえないと錯覚しているからである。
絶えず、人に特別に好ましい印象を与えないと、人から拒絶されるように感じている人がいる。
それと同じで燃え尽きる人間は、栄光がないと人から拒絶されると錯覚している。
情緒的に未成熟で精神的にイライラしている人間にとって必要なのは、
自分の仕事が自分に与える威信である。
その仕事が権威のある仕事かどうかばかり気にして、その仕事が人のためにどれだけ
役に立つかを気にしない。その仕事が自分に適しているのかどうかに注意しない。
燃え尽きるタイプのビジネスマンは仕事そのものに興味を抱くということではなく、
仕事の社会的地位に関心を抱く。
会社である会議に出席するとしても、その会議で討議されることの内容自体が面白いと
いうことではなく、その会議に出席できる自分の地位に満足する。
したがって、会議に出席することは虚栄心を満足させるが、辛いし、エネルギーを消耗する。
会議の中身に関心がないから疲れる。