不安な人ほど完璧でないと愛されないと錯覚している

人はなにも相手にいつも完璧を期待してはいない。
完璧でない自分を許せないのは自分であって、他人ではない。

自分が完璧であるかどうかどうか、そんなに心配することはない。
完璧であらねばと苦しんでいる人は、自分の心の底にある不安と直面することである。

どんなに不安などないという顔をしてみても、無意識に不安に支配されている。
もし本当に不安でなければ、完璧であらねばと苦しむことはない。

自分で自分をコントロールできないのは、無意識にある感情に支配されているからである。
意識の領域でどんなに自分を自分の思うようにコントロールしようとしても
そのように自分は動かない。

自分はやはり自分の無意識にある強い感情に支配されているのである。
人は好き好んで苦しんでいるわけではない。

無意識の領域に不安があるなら意識的にどんなに完全でなくていいと
自分に言い聞かせても、やはり完全でなければと焦る。

焦るまいと意識的に努力しても焦る。
そうした点で人を動かしているのは、意識の領域ではなく無意識の領域だからである。

何か重大な感情を自分に隠しながら、意識の上で焦るまい、焦るまいと
努力してみても効果はない。

何か重大な感情を自分に隠せば、人は不安になる。
柔軟に現実に対応できないのも、無意識に支配されているからである。

現実の世界で、現実と照らし合わせて行動しているのではなく、
無意識の必要を満たすために行動しているのである。