両親がこどもをいじめる

従順な子供を苛める父親は、自分が社会的に成功できない不満や、
妻への不満などをすべて子供にぶつける。

ぶつけることで自分の心を癒しているのである。
そういう父親は、その人の能力としてはそこそこ成功している場合が多い。

ただ自分がそれでは満足していないのである。
そういう弱い父親は妻に強く出られない。迎合する。そして子供をいじめる。
子供は一番弱い立場だから。

昔の大学の運動部の学生が、新入部員をいじめるのと同じである。
一番弱い新入部員をいじめることで、心を癒す。会社でも同じである。

教えてやるという口実の下に苛める。そして誰も味方をしないような人をいじめる。
仲間がたくさんいたり、上司と近い人はいじめない。

自分に害がこない、いじめやすい人をいじめる。
いじめる人は相手を見る。逃げられない子供をじわじわといじめる父親もそうである。
どの子供でもいじめるわけではない。いじめやすい子供をいじめる。

妻からなめられていることの腹いせを子供でする父親もいる。
妻からなめられていると思う父親は、妻が好きだと思う子供をいじめる。
ところがそういう場合、たいていは母親のほうも、その子供を好きではない。
子供は母親からも無視される。

あるいは、嫌いな父親についた子供を、母親は直接的にいじめる。
子供は両方の親からいじめられる。その子は両方の親の心の葛藤の処理に使われるのである。

そうするとどういうことになるのか。両方の親がその子をいびることで、
自分たちは対立しないで済む。父親と母親は正面から向き合うのが怖い。

これは対立を恐れる憎しみのある夫婦に、よくある構図である。
だから子供が万一いじめに対抗すると逆上するのである。