他人が怖くなる

企業が誰を採用するかというときに、その点で有能な人を採用する人事部長は心理的負担を
免れている。しかしその点で優れていないし、そのような人を採用した前例はないというときに
その人を採用する人事部長はストレスが強い。

会議でその人を採用する自分の主張を述べるときにストレスは強まる。
逆に周囲の傾向に流されている人は、流されている以上その時その時のストレスは
それほど強いものではない。

しかし長期的に見ればこの生き方の方がストレスが強くなる。他人が怖くなるからである。
自分一人では生きられないという感じ方を強めてしまうからである。

「私はこう思う」ということにしたがって行動することは、その時にはストレスがあるけれども
最終的には自信が出来て、ストレスの少ない人生を送れるようになる。

人が賛成してくれそうなことを皆の前で言うことはストレスがない。
しかし前例はないが、自分は「こう思う」というようなことを主張して皆と戦うことは
大変なストレスである。

そしていつも皆が賛成してくれる意見を述べ、皆が賛成してくれることを提案し、
皆が賛成してくれる行動をしていると、いつも何か責任という感じ方を失ってしまう。

そして負わなくてもいい責任を感じ、負わなくてはいけない責任を感じないようになる。
つまり自分の人生の責任を回避し、他人の責任を自分の責任と感じるようになる。
それは自分のするべきことを他人に押しつけて生きてきたからである。
そしてこれが最終的にはストレスになる。

人の意見にしたがってばかりいると、自分一人では生きられないという感じ方を強めてしまう。