話しやすい母親

親に対して恨みを持つ子供は昔からいた。
ただ、昔の恨みは甘えたいけど甘えられない恨みであった。

今の子供の恨みは、親の心の中に自分がいないから、
親の心の中に自分の存在を示そうとする恨みであろう。

子供にとって、最も大切な母親の性格は「話しやすい」ことである。
父親についても同じである。

子供は何でもしゃべれることによって、心理的に成長できる。
子供が社会性を持った大人になるために必要なことは、いわゆる
「子ども時代」があることである。

「子ども時代」があったか、なかったかは、大人になってからの性格を決める。
「子ども時代がある」とは「しゃべれる時代があった」ということ。

そのことは、何でもしゃべれる母親がいたかどうか、ということである。
そういう時期を持てたかどうかである。

その意味で、母親が話しやすかったかどうかは、大きな意味を持つ。

話しにくい人。そういう人には、コンプレックスがある。
そして態度が不自然。不自然なのは、立派さの裏にコンプレックスがあるからである。

そういう人は一緒にいて疲れる。長年付き合っていても話しにくい人は話にくい。
精神を病む人の周りには、話しにくい人が多いに違いない。
またコンプレックスがある人が多いに違いない。

美人でも医者でも教師でもエリートでも、話しにくい人は話しにくい。
とにかく話しにくい人がいる。

今、人と親しくなれない人は、幼い頃から自分の周りにいた人が
どういう人であったのかを、腰を落ち着けて考えてみる必要がある。