自分を隠すからその人らしさがない
親の要求に適応した子供は、愛されるためにはお行儀よく振舞うことだと思い込んでいる。
しかし無理をしていない子供のほうが、子供らしい可愛らしさがある。
つまり無理をするいい子は、自分のしたいことをして親に嫌われるのが怖いから、
自分のしたいこともできない。
そして、自分を裏切り続けるから、いつしか親に対して憎しみを持つ。
いい子は、親を愛していない。いい子は、冷たい。
そして無力感に悩まされている親は、子供の無理に気がつかない。
いい子は、今日も無理をした。明日も無理をする。明後日も無理をする。
そして燃え尽きる。
無理をしなければ愛されるのに、無理をするから愛されない。
他人はあそこまでしなくていいのにと痛々しく思っている。
しかし本人は、他人がそう見ているということに気がついていない。
人からは自分が見えているということがわかっていない。
いわゆるいい子は、大人になって心理的に色々問題を起こす。
適応したいわゆるいい子は、他人を愛する能力のない人から愛されようとしているのである。
そのためには、確かに迷惑をかけないでお行儀よく振舞うことが大切である。
子供時代にはそれが正しかった。
しかし、大人になって、愛する能力を持つ人に囲まれたときには違う。
愛する能力を持つ人は、子供の可愛さが分かる人である。
しょうがないけど可愛い子と、しょうがない子を受け入れてくれる。
ところがいわゆるいい子は、大人になってからも、愛する能力を持った人に対してまで自分を隠す。
自分を隠すからその人らしさがない。個性がない。
そこで愛する能力を持った人からは、魅力のない人と映ってしまう。
本当は無理をしないほうが愛される。
このことが、大人になったいい子にはどうしても理解できない。