どうしても忘れることのできないことが心にのしかかってくる

人は誰でも罪を犯す。
それをいつまで経ってもぐちぐちと言い続ける人がいる。

「私はひどい人」「俺はだめな奴」と自分を責め続ける。
その罪の汚れを落しても落としてもまだ落ちないかのように、
後世大事に罪の意識を持ち続ける。

汚れを落として人生をやり直すことが大切なのに、
彼らはいつまで経っても同じところにいる。

まるでそう自分を責め続けることで自分の良心を誇示しているかのごとく。
実は罪で自分を責め続けることで自分の価値を上げようとしているのである。

罪を繰り返し懺悔するときは、懺悔によって繰り返し自己を探し求めている。
彼らは過去の時点で自己を回復しようとしている。

うつ病になりやすい人は、どうしても忘れることのできないことがあって
それがいつも心にのしかかってくるという。

罪の負い目は過去へと引き戻す働きをもっている。
彼らは過去の失敗の中で自分を見失ってしまったのである。

過去の時点で自己を回復しようとするのではなく、
未来の中で自分を見つける努力を努力をすることである。

罪に限らず過去の事件を繰り返し後悔している人は、
過去の時点で自己の回復をしようとする無駄な努力をしているのである。