考え違いで相手を不快にさせていないか

どんなに素晴らしいものでも、その時その人が求めていなければ価値がない。
ある人が名誉を求めているとする。その時に、その人に細やかな愛情を与えても、あまり意味がない。

しかしまた、その人が愛情を大切にしているのに財産を与えても、あまり大きな意味をもたない。
人間関係でその人その人の求めているものと違うものを与えることがよくある。

金儲けの話に熱中する人もいれば、金儲けの話にうんざりする人もいる。
これの方が儲かるか、あれの方が儲かるかという話をしていれば、時の経つのを忘れる人もいる。

せっかくの大切な時間を、そのようなお金の話題で過ごしてしまうのをもったいないと
感じる人もいる。

またその人が、自分の何を認めてもらいたがっているかということも大切である。
その人が「自分は頭がいい」ということを認めてもらいたがっているとする。

その人に向かって「あなたは優しい人だ」と誉めても、その人はあまり喜ばない。
誉めた方は頭のいいことなどあまり価値がないと思っている。

そんなことより優しさに価値を置いている。そこで相手を優しいと誉めて、誉めた方は
最大級の賛辞を与えたと思っている。しかし誉められた方はあまり嬉しくない。

自分の家に財産があることを得意になっている人がいる。相手はあまり財産に価値を置いていない。
それよりも活動的に生きることのほうがずっと大切だと思っている。

そこで「もっと行動しなさい」と励ます。励ます方が相手の人生を大切にしているつもりでいる。
しかし励まされた方はおもしろくない。自分の財産を褒めてくれないので付き合っていても
不愉快である。励ましている方は、なぜ相手がいつも不愉快そうにしているのか理解できない。

こんな行き違いがよくあるという人は、相手は相手の何を認めてもらいたがっているのだろうと
考えることである。

また相手との付き合いで不愉快な人は、自分は自分の何を相手から認めてもらいたがっているのか
ということを考えてみることである。