親から拒否されたら生きていけない
可愛がられた子供は自立して家から離れていかれる。
しかし十分に愛されてない子供は、いつまでも家から離れられない。
良い子は親の言うことを聞いて従順だけれども、親を信頼していない。
親と正面から向き合っていない。
正面から向き合って親と衝突しないのが良い子である。
表面的には問題のない親子関係であるが、良い子は親を信頼していない。
でもその親から認めてもらいたいのが良い子である。
良い子は自立していないから親に認めてもらって初めて自分がある。
親から認めてもらわなければ自分はない。
幼児的願望が強ければ強いほど、認めてもらいたいという気持ちは強い。
だから良い子は親から離れられない。親から低く評価されることを恐れる。
親から拒否されたら生きていけない。良い子にとって親は恐怖である。
良い子にとって親は脅威の対象である。そしてその脅威の対象である親に執着する。
脅威の対象から離れるというのは、心理的に成長した人の場合である。
心理的に健康な人ならば、脅威の対象から離れる。
しかし良い子は脅威の対象にしがみつく。認めてもらいたいのである。
親から捨てられたら生きていけないという不安から、親に執着する。
親にしがみついている姿を見て、「この子は親を好きなのだろう」と解釈する
のは間違いである。神経症的傾向が強い親は、子供が離れないのを見て、
そう解釈する傾向がある。また心理的に健康な人も、自分と照らし合わせて
そう解釈する。しかし違う。