寝ようとする強すぎる願望
寝ることが快適ではない。だから寝ることが何かの役に立たなければならない。
したがって、あまりにも寝ようと努めるので逆に眠れなくなる。
眠れなくてもその時間が快適なら、寝ようとする努力が強くなりすぎることはない。
眠れなくてもベッドの上で横になっていることが快適ならば、寝ようとする強すぎる願望は
生まれない。
ベッドの上で横になっても快適でないから、「この時間」が何かの役に立っていなければ
気が済まないのである。
もしその時間に意味があるのから、眠ろうする焦りはない。
その時間に意味があるのだから、リラックスしている。だから、むしろ眠れる。
強すぎる願望があるのは、生きることが快適でないからである。
心の問題があるからである。今が不安だからである。何事も「すぎる」ことの原因は不安である。
今生きる辛さを忘れさせてくれるのに役立たないことはしていられない。
それがうつ病者の疲れても休めない心理状態である。
人は、今に満足しているから休める。だからうつ病者は休めない。
病み上がりだったら働けるだけで嬉しいと思える。皆と協力できるだけで嬉しくなる。
そういう気持ちの人は、疲れたら素直に休める。
歳をとってくると眠れなくなることの原因の一つは、問題解決への希望を失うからでなないだろうか。
意識の上でそれが分かるというよりも、無意識の領域でそれが分かってくる。
心の葛藤を解決して、生きることそのものを快適にしなければ、疲れても休めない
状態は続くだろう。疲れても休めないというのは、基本的な問題である。