自分を敵にまわしてしまった
なぜ人は自分の所有しているものから幸せを得ることができず、
他人の所有しているものから不幸を得るのか。
なぜ自分の持っているものに価値がなく、自分が持っていなくて
他人の持っているものに価値があるのか。
そして、何よりも、自分に欠けているものを持っている人に
劣等感を持ってしまうのか。
たった一つのことができるかできないかで、あとのことは
一切無視して、相手に劣等感を持つのはなぜだろうか。
その点で相手にかなわないと思うのは良いが、なぜ、
その点以外で自分が優れていても相手に劣等感を持ってしまうのか。
何でもない普通の人、普通の人だがわがままで支配的な人を
時に神様のように尊敬して、その人のいいなりになっている人がいる。
それは、言いなりになっている人が、自分に欠けているものを
オーバーに考え、その欠けているものを相手が持っているからである。
英雄崇拝などは、劣等感の裏返しである。
こうしたことが起こるのは、自分を憎んでいるからである。
自分を憎んでいるからこそ、自分の欠けているものを過大視するのであり、
自分の弱点にばかり気をとられてしまうのである。