責任感に縛られて、その奴隷になってはいけない
よく酒を飲んでも良いが、酒に飲まれてはいけないという。
それ式で言うと、責任感を持っても良いが、責任感に所有されてはいけない
ということであろう。
責任感の強い人というのは、自我の確かな、バランスのとれた人である。
そういう人はゆとりがあるし、他人の気持ちを自由にしてくれる。
その人といると気が楽である。
ところが、責任感に所有されてしまった人といると窮屈である。
何かその人といると気持ちが自由でない。縛られてしまう。
その本人も他人から見ると無理しているような印象を与える。
その人自身が、自分に堅苦しさ、度を超した責任感を強制しているのである。
その人が責任感がある、その人が正直であるという時、「その人」がいる。
まずその人がいて、その人が正直で責任感が強いのである。
ところが、責任感からノイローゼになるような人は、「その人」がなくて、
ただ責任感だけがある。
自己喪失してしまった人の責任感なのである。自己があって責任感があるのではなく、
自己がなくて責任感だけがある。責任感の一人歩きである。