心理的に不安だと何が大切かが分からない
安心することができないと、何が大切で、何が大切でないかが分からない。
あるいは怒りなどで感情が高ぶると、何が大切で、何が大切でないかが分からない。
その怒りが少し消えると、何が重要で、何が重要でないかが分かってくる。
怒っている人に何か説明しても、あまり聞いていない。
怒りで、そこに注意が向いていないからである。
話した言葉は覚えていても、全体の流れの中で、その言葉の意味を理解していない。
その話が全体として「何を言おうとしているのか」、そしてその全体の主張の
中で「この部分は何を言おうとしているのか」が理解できない。
物事の重大さとか些末さを判断できるためには、感情的に安定していなければならない。
それは頭が良いとか悪いとかいう問題ではない。
感情的に安定していないと、何よりも日常生活での判断力に問題が生じる。
さらに勉強してるのに頭に入らないと「私は頭が悪い」と思い始める。
心理的に不安だと、何よりも勉強していて、そこの何が大切で、何が大切で
ないかが分からない。
怒りや恐怖におののいている時に、「物事の重大さを判断しろ」と言う方が
無理なのである。
怒りや恐怖が先に立ち、「このことの中で何が重要か?」とか「これは何を
意味をするのか?」とか分かるはずがない。
感情的に安定してから考えれば何でもなく分かることが、怒りや恐怖に
とらわれている時には、分からない。
気がかりなことがあっては眠れない。話の輪に入れない。
安心することができて心が無になって眠れる。そうでないと気がかりなことに
いつまでも気を取られてしまう。