病気になるまで無理をして「良い子」を演じる

「良い子」は、自分はそのままでは好かれない人であるというイメージを
持っているから、無限に人に好かれようとする。

実際の自分は、愛されるに値しない人であると感じているから無限に好かれようとする。
そして愛されたり、尊敬されることで、人から自分を守ろうとしている。

すると、どうしても実際の自分の願望を裏切ることになる。
そしてその行為が行きすぎる。「好かれ中毒」「尊敬され中毒」になってしまう。
他の中毒と同じようにいつも不安である。

アルコール中毒者が、いつもアルコールを飲んでいないと不安になるように
これらの中毒者も、いつも愛されていないと不安なのである。

薬物中毒者が、どんなに薬物を使っても結局は救われないように、
これらの中毒者も、どんなに好かれ尊敬されても救われない。

そして、薬物中毒者が、薬物が切れると生きていけないように、
「好かれ中毒」「尊敬され中毒」も、愛や尊敬を失うと生きていけないような
気持ちになる。

だからこそ、病気になるまで無理をして「良い子」を演じるのである。
そして大人になれば、強迫的に名誉を求める。

しかし名誉、財産、賞賛などは手に入らないことが多い。
人は欲しいもの、求めているものが手に入らないときに不満になる。
だから「良い子」は大人になればいつも不満である。

愛情飢餓感があまりに強い「良い子」は、自分の感情を見失うまで他人の
期待に応えようとする。

大学生になってときには、もう自分が何を望んでいるかも分からなくなっている。