自分のない人

「良い子」は、「あるべき自分」が「実際の自分」に先行する。
自分の可能性を実現しようとするよりも、「あるべき自分」になろうとする。

あるべき自分のイメージのために、実際の自分の人生を犠牲にする。
そして「良い子」は自己喪失に陥る。
「良い子」になる人が問題を起こすのはこのためである。

「良い子」は自分の生活を失う。自分の人生を失う。
その結果、「良い子」には生きる喜びが無い。
生きている実感を失う。それが「自分がない人」である。

親の期待にしたがってのみ生きていれば、自分はこの人生で何をしたら
いいのかということが分からなくなる。
自分の内面に湧き出るものを感じることができなくなる。

人の期待に合わせて、人に好かれるために生きていると、
最後には「私という人間はどういう人間だったのか」と後悔する時が必ず来る。

「自分は生き方が間違っていたのか?」と悩む時が必ず来る。
他人は自分の人生に責任を負ってくれるわけではない。