決めつけ思考では、人生の幅を狭めるし、楽しみも半減する
長い人生、いつも前向きに全力投球では、身も心ももたない。
緩急取り混ぜた生き方をするのが満足な人生を送る技と言えるだろう。
心の健康のためには、プラス思考でもなく、マイナス思考でもない、
曖昧な考え方で物事と向き合うといい。
何事も決めつけてしまわないということが大切である。
典型的な思考のパターンは、白か黒かで、グレーゾーンのないものである。
このような考え方をしていると、いつも前向きでないと失敗すると
いった考えが強迫観念となって、自分を追いつめていくようになる。
何事も前向きに考えよう、行動しようとしたり、つらい状況にあっても
必死に元気なフリをしたりして自分を駆り立てようとする人がいる。
しかし、気分が落ち込んでいるのを無視して無理やり気分を
盛り上げるなんてどう考えても不自然である。
こんなことを続ければ、誰だって疲れてしまうだろう。
いつも前向きという完全さを求めていると、完全にできない
自分自身がさらにストレスになってしまう。
もともと完全な人間なんていないのだから、いつも前向きでは
いられない自分を受け入れる方が自然である。
決めつけ思考では、人生の幅を狭めるし、楽しみも半減する。
世の名に完全なものはない。
完全を求めて気負えば気負うほど空回りする。
他人は敵と味方の二種類しかいないわけではないし、
完全な幸福もなければ完全な不幸もない。
その中間で成り立っている。
いつも前向きでないと失敗するわけでもないし、いつも前向きでないと
嫌われるわけでもない。
前向きな時もあれば、落ち込む時もあるのが普通の人間である。