恩を仇で返す人
親切をしたことがない人は、他人に親切をするということが想像できない。
例えば搾取タイプの人などは人から取ることだけを考えている。
搾取タイプの人がある人から親切をされたとする。
すると搾取タイプの人は相手が好意から自分にあることをしたと
いうことが想像できない。
相手の好意を弱みがあるからしたのだと受け取る。
この人には何か弱みがあると思う。
人に誠意を示したことがない人は、誠意を示されると何か相手は
弱みがあると思う。搾取タイプの人は自分に弱みがある時にしか
人に親切にしないからである。
搾取タイプの人は人から好意を受けると、こいつを脅せば
もっと取れると思う。つまり親切をすることは相手の搾取を呼ぶ
ようなことなのである。そこで脅し恐喝など取るためのことは何でもする。
「恩を仇で返す」という格言がある。これは親切とか好意が
理解できる人々の世界の言葉である。
やさしい人は他人に色々なことをする。しかし自分を犠牲にして
相手のために何かをすると、その相手から逆に酷い目に遭うことがある。
そこで「恩を仇で返す」という。しかし人に恩を施したことのない人は
「恩を受けた」とか「あの人の恩になった」ということが分からない。
そういう感覚がない。
恩を仇で返す人は、恩を受けた時に、こいつは搾り取れると思ったのである。
恩を施せば「私から甘い汁を吸えますよ」というメッセージになってしまう。
向こうから見ると決して恩を仇で返していない。何か得しようとして
自分に好意を示したと思っている。そしてそう簡単に騙されてたまるかと
思ったのであろう。
だから好意に接して最初から感謝などしていない。
逆に、こいつは自分から何かを取ろうとしているのだろうと疑っている。
そこで恩を施したことは、自分から私を利用してくださいとお願いした
ようなものである。