完全主義は自信のなさのあらわれにすぎない
自分にできないことがあっても、それは決して自分の価値を低めるものではない。
自信のない人は、このことがどうしても分からない。
だから、何か自分にできないことがあると、どんな小さな
つまらないことでも、それに固執してしまう。
そんなどうでもいいようなことをしないと先に進めなくなってしまう。
よく言われる完全主義というのは、言ってみれば自信のなさのあらわれで、
できることをどんどんしていくことが素直な生き方なのである。
できないことにとらわれてしまって、自分のできることをやり残して
しまうという生き方が、自信のない人の生き方である。
そのできないことができたからといって、別にその人の価値が上がるわけでもない。
そんなことにとらわれてしまうのである。
できても、できなくても、どちらでもいいようなことを、
自信のない人は重大視してしまう。
できたからといって得意になるほどのことでもなければ、できないからといって
失望するほどのことでもないのに、そのことにとらわれてしまう。
どうでもいいことができないと、それは、自分の価値に
かかわると感じてしまうのである。
小さな水の流れは、岩に突き当たれば、その周りを回って流れていく。
こうした柔軟な生き方が、自信のない人にはできない。
その岩と格闘して消耗してしまう。
水の流れは、本来そういうものと格闘することを本分とするものではない。
岩と格闘するようでは、水の本来の働きを失ってしまう。
同じように、本来その人の本質的な価値と関係のないことで格闘して消耗
してしまう人がいる。
自信のない人は、どうしても生きるエネルギーの使い方が間違ってしまう。
何かができないから自信を失うわけではない。
自信がないから何かができないことを重要視してしまうのである。
そういう人は、なぜ自分がそのような間違った感じ方を身につけてしまったかを
反省してみることである。