居場所がない
小さい頃に自分という存在そのものを認めてもらえなかった人にとって、
自分は何の役にも立たない存在だと思うほど恐ろしいことはない。
それは生きていることを責められることであり、そこにいてはいけないということである。
そうなれば誰でも身構える。他者に心を開くことはない。
人と打ち解けることなどありえない。
相手と打ち解けるのは自分が相手に認められているからである。
自分がそこにいることを周囲の人が喜んでいると感じるときである。
小さい頃、家の手伝いしたときにだけ誉められた。そのときだけ非難されなかった。
そして育って大人になっても、その場で何か役に立つことをしなければ、
責められていると思う。いつも気が張りつめている。居心地が悪い。
小さい頃愛された人にはそれがない。その場で役に立たなくても、自分はそこにいても
いいのだし、認められている。皆に嫌われていない。厄介者扱いをされない。
人は外側から見ると、同じように何もしないで居間に座っていても、座っている人の心の
中は全く違う。ある人は緊張して身構え、責められていると感じ、不愉快である。
別の人はリラックスして時の流れを楽しんでいる。
もちろんうつ病になりやすい人は前者である。