弱い人をないがしろにしない指導者こそが強い指導者である
神経症的で、自己中心的な人が名誉や利益を求めるのは、不安からである。
それだけに名誉の求め方が強迫的である。
それゆえ、不安から名誉や力を求める人は、弱い人を尊敬できない。軽蔑する。
自分の弱さに苦しんでいる人、自分の弱さを受け入れられない人は、弱い人を軽蔑しがちである。
情緒的に成熟した人、本当に強い人は、弱い人でも尊敬する時は尊敬する。
つまり、弱い人がやる気になった時、組織の中でその弱い人をないがしろにしない指導者こそが
強い指導者である。
ところが、自己中心的な人は、ないがしろにする。したがって反発がでる。
皆がその指導者を尊敬できない。たとえその人に多少の才能があっても、誰もついていかない。
その人のやる個々のことに反発するというよりも、その人の仕事に向かう心の姿勢に
人々は反発するのである。
そこで反発された自己中心的な人は、「私はこんなにも色々なことをやった。
私のどこが悪いのか」と怒る。
つまり、自分のどこに人が反発しているのかが分からないのが、一番大きな問題なのである。
人にそこまで信頼されていないのに、そこまで信頼されたかと勝手に思い、
そこまで信頼されていないという現実にぶつかると、怒る。
そこまで仕事を任されていないのに、勝手に任されていないのに、勝手に任されていると思い、
任されていない現実にぶつかると、怒る。