家庭に、教室に、子供の居場所はありますか?
成績が思わしくなく、自信を失っている子供がいるとする。
こういう時、誰しも、一度いい点を取れば自信がつくのにと考えがちである。
でも、問題なのは、その子供は、本当は勉強に自信がないだけなのに、
それが原因となって、自分自身にまで自信を失ってしまっているということである。
確かに勉強については、いい点を取ることで自信がつくだろう。
その結果、自分の他の部分についての自信も回復するかもしれない。
しかし、成績というのは、一生懸命に勉強したから必ず上がるというものではない。
勉強したのに成績が上がらなかったら、ますます自信を失うこともありえる。
こういう場合、まず、自分という人間に対する自信を回復させてあげることである。
人間は、自分が他人から愛されている、他人から必要とされているということを
実感したとき、自信をもつことができる。
自分の居場所がある、ということが感じられればいいのである。
子供は生活時間の大部分を、家庭と学校で過ごしている。
勉強に自信のない子供は、教室に自分の居場所がないと感じているから、
まず、家庭にその子供の居場所があることを教えてあげる。
その方法は、感謝や喜びの言葉を意識的に子供にかけてあげることである。
特に、成績が悪くても、お母さんの子供に対する愛情は変わらないことを伝えてあげる。
「成績なんて頑張ってれば、いつかは上がるわよ。それより、あなたが
元気でいてくれることが、お母さんはうれしいわ」
こういう言葉をかけてあげることで、子供は学力を自分の中のほんの一部として
見ることができるようになる。
同時に、友達やクラブ活動に目を向けさせてあげる。
仲のいい友達は、自分の成績が良かろうと悪かろうと、好きでいてくれる、
ということに気づかせてくれるのである。
例えば、その友達の話が出たときに、
「あなたたち、本当に仲がいいわねぇ。友達に好かれるっていうのは一番の財産よね」
と言ってあげよう。
親がこのように言葉をかけてあげれば、子供はたとえ成績が悪くても
学校に自分の居場所はあるんだということに気づく。
教室でも違和感をもたなくてすむから、それまでより授業にも集中できるはず。
こうして、子供は自分をまた信用できるようになる。
自信を回復してしまえば、成績アップは結果としてついてくるであろう。