どんなに表情や行動がやさしくても、心の中は怒りである

物事が自分の思うようにいかないで「くやしいー!」と叫ぶような人は、
うつ病にはならない。

くやしいことをじっと我慢しなければならない人が、うつ病になる。
「くやしいー!」と悲鳴をあげるような人は、逆に相手をうつ病に
追い込むような人である。愛を搾取する側の人である。

心の中では「助けて!」と叫んでいるが、それを表現できない。
周囲の人が嫌いなのだから、周囲の人に助けを求められない。

「助けて」と言わないでも、分かってくれて助けてくれる。
うつ病者はそういう人は求めている。

憂うつになるのは、怒りを抑圧するからである。
憂うつになるような人は、その抑圧した怒りの裏で「どうしたの?」と
声をかけてくれる愛を求めている。

しかし怒りがあるから、素直になれない。
「あなたには、私の苦しみは分からない」と言いながら、
相手に絡んでいるのである。本当にそう思っていれば離れていく。

うつ病者は自己評価が低い。自己評価の低い人は、常に人から尊敬されたい。
それなのに、相手が自分を尊敬していないような行動をとる。
そこでカッーとなる。

自分の価値を剥奪するような相手の言葉や行動にすぐに傷つき、腹が立つ。
そしてカッーとなっても軽率な行動に出られない。

怒りの中で目一杯生きているから、人から傷つけられたことは忘れない。
怒りの中で目一杯生きているというのは、無意識の領域で怒りが
充満しているということである。

うつ病者は、どんなに表情や行動がやさしくても、心の中は怒りである。
この怒りを常に表現できないでいれば、長い間には心理的におかしくなる。

いつも傷つきながら、その結果としての怒りを心の底に閉じ込めてしまう。
自己評価の高い人なら、そこまでいつまでも傷ついていない。

つまり、そこまで常に怒りを心の底に閉じ込めていない。
だからうつ病にはならない。