次に会う約束を忘れる心理
遠距離恋愛は難しいといわれる。
普通の恋人のように、会いたい時にいつでも会えないからと
いうわけではないが、二人の関係がうまくいかなくなったとすれば、
本当は二人が離れて暮らしていることがその原因ではない。
二人は遠距離を関係がうまくいかない時の理由にしている。
遠距離だから二人がうまくいかないといえることは、ある意味で、
二人にとってありがたいこと。
なぜなら、もしその後二人を取り巻く状況が変わって、二人がもはや
離れて暮らす理由がなくなれば、関係がうまくいかなくなった時、
遠距離をそのことの理由にすることができなくなるからである。
遠距離であろうとなかろうと、会える時はその時を楽しみ、
次のことを考えないということが大切である。
別れる時間が近づくとそわそわし、それまではしゃいでいたのに
暗く沈んでしまう人がいる。
せっかくの時間をそんな態度でふいにするのはもったいない。
別れてから、次に会う約束をしていなかったことに気づくくらいがいい。
満ち足りた時間を過ごし、完全燃焼できたからこそ次に会う約束を忘れる。
そんなふうに過ごせた二人には、次を求める必要がないので、結果として次はある。
次を考えないでいいほど、会っている時にいい関係でいられたからである。
ところが、不完全燃焼で終わった二人は、その日の不充足感を取り戻そうと思い、
約束をしないで別れてしまったらもう二度と会えないとまで思い込んでしまう。
次に会う約束を取りつけようと思うが、このような二人には次はないかもしれない。
二人が離れたままでいる状態をいつまでも続けていくことは
実際問題としては難しい。
どんなに愛し合っている二人でも、これからどうするかという目標が
一致していないと関係を続けることは難しくなる。
しかし、乗り越えるべきこの困難は二人の絆を強めこそすれ、
弱めることはない。