うつ病の人の仕事熱心

仕事の量と、正確さという仕事の質の両方を完璧にこなそうとしていた。
その両方に固執するあまり結局、最後にはうつに陥っていく。

もし仕事量を減らせていれば、うつに陥らないですんだであろう。
あるいは適当に仕事の正確さを落としていけば、うつにならなかったかもしれない。

しかし、その質と量、両方とも捨てられない。そこでうつに陥る。
どちらかを断念するという選択ができない。

自分の能力に合わせた仕事ができない。そうした判断力と実行力がない。
うつに陥った原因はどちらもあきらめられなかったことである。
順調に仕事をこなしているときでも仕事を楽しんでいない。

スケジュール通りこなして仕事は処理されても、仕事中の感情が処理されないで心の中に残っている。
仕事をしているときに怒りを感じたとする。その怒りを処理できないままその仕事をすませて、次の仕事にかかる。

午前中の悔しい感情を残したまま、昼食をすませてまた午後の仕事にとりかかる。
うつ病になる人の場合、朝起きて、まずはラジオ体操をして、歯を磨いて
と次々にスケジュールを消化していく感じがある。

ラジオ体操を楽しむこともなければ、食事を楽しむこともない。
スケジュールにしたがって行動していくが、生活そのものを楽しめていない。

仕事をどれだけしても、達成感とか真の満足感がない。次々とただスケジュールをこなしているような毎日である。
仕事を正確にこなすことに喜びを感じていない。仕事に満足していない。規範意識で仕事をしているだけである。

仕事を楽しんでいないから、仕事の正確さと仕事の量の板ばさみになっていくのである。
仕事を楽しんでないから「あれ」も「これ」もというようになるのである。
目的がないから「あれ」も「これ」もなのである。