勝ち戦に強く負け戦に弱い

自我の脆い人はちょっと成功するとすぐにいい気になり、
仕事以外でも自分が大変な人物であるかのごとく思い、高慢になる。

そしてちょっと物事がつまずくととたんに風船が萎むように元気がなくなる。
勝ち戦に強く負け戦に弱い。すぐに慢心する人はすぐに落ち込む。

熱し易く冷め易いというのはやはり自我の脆さを表しているのである。
自我の基盤が強固な人は失敗に強い。

少しぐらい物事がうまくいかないと言って動揺することはない。
しかし自我が脆いと少しうまくいかないというだけで動揺し、心理的に混乱する。

そしてまた自我の基盤が強固な人は少しぐらい成功したと言って
慢心するようなこともない。

また自我の基盤の強固な人は私的生活の困難がすぐに公的な生活に影響しない。
ところが自我の脆い人は私的なことでトラブルを抱えるととたんに
仕事にも影響が出る。

状況に飲み込まれて状況と適切な距離が取れないので、いったん私的生活の、
あるトラブルに飲み込まれるとそれ以外のことに気持ちの切り替えが
出来なくなる。

例えば私的な生活である人に酷い目にあわされると、その人への憎しみに
かられて、他のことは考えられなくなる。

会社に居てもその人のことしか考えられない。
仕事をしていてもその人のことで頭が一杯で仕事に身が入らない。

ただひたすらに悔しい。
ベッドに入ってもその人への憎しみでなかなか寝つけない。
夜中に眼が覚めるともうその人のことを考えてまた寝つけなくなる。