お気に入りになることで自分を守る

子供が自分で自分を守るとは、相手のお気に入りになることである。
それがいわゆる良い子である。心の葛藤に苦しみながら社会的には過剰に適応している。

このいわゆる良い子は対価なしに何かをしてもらえるという体験がないのである。
自分が何らかの犠牲を払わなければ人は自分に何かをしてくれないと感じている。

だからいつも人の機嫌に怯えているのである。
無力な子供は人の機嫌を損ねたら自分は生きていけないと感じている。

そこでいつも周囲の人の機嫌に怯えている。
無力な子供は人のお気に入りになることでしか、自分の生存は維持できない。

大人になってからは違ってくるかもしれない。
しかし、すでに大人になった時にはそのような感じ方が出来あがってしまっている。

だから大人になってその人の周囲の現実は、幼い頃と違っていても
その人の感じ方は変わらないのである。

その人の周囲の人への怯えは幼い頃と変わりない。
怯えながら生きる一日は膨大なエネルギーを必要とする。

一日を生きるエネルギーは人によって違う。

安心感のある人は仕事をすればするほどエネルギッシュになる。
不安に怯えている人は何もしないでも疲れる。
生きているだけで消耗する。

働くことでエネルギッシュになる人と、働くことで消耗する人といる。
それは自分の本性にそって自己実現している人と、自分を欺いて無理をして
頑張っている人の違いである。うつ病になるような人は後者である。